ホームスイートホーム

子供を連れて旅をしていると、今までになかった出会いに恵まれるようになる。

今回のバリの旅でも、何組もの家族旅行者や一人旅をする若い女性たちが、きっと赤ちゃんがいるというなんとなく安心な気配によって、心がオープンになって、今までわたしが一人で旅していたときにはなかったような速さで打ち解けあうことができた。

オレゴンから来ていた4人家族は中学生の娘さんと小学生の息子さんに半年間学校を休ませて、ホームスクーリングをしながら世界中を旅している最中だった。ご夫婦は二人とも外科医で、昔から家族で世界旅行をするのが夢だったそう。そして、去年いまだ!と思い立ち、バリで2カ国目の旅の途中だった。育ててきたものが今大きくはじけている最中というエネルギーが彼らの周りを燦々とと輝いかせていた。きっと日々ものすごいストレスフルな職業なのであろうそのご夫妻が、こころからこの旅を楽しみ、子供たちと一緒にいようとしている姿にたくさんのアイディアをもらった。

オーストラリアから来ていた大人4人、プラス5ヶ月の赤ちゃん連れグループは、中学生からの友人カップルで赤ちゃん初の海外旅行にみんなで協力してやってきたのだそうだ。ある大雨の日、彼らがステイするヴィラについているプールサイドでお茶でもしようと誘ってくれた。せっかくだから、と赤ちゃん二人を泳がせ始めると、ぴたっと雨がやんだ。子連れカップルとそうでないカップルが、たまにちょっとギクシャクしながらも、旅を良いものにしよう!今までもずっと色んなことを4人で一緒に乗り越えてきたんだ、という気持ちがウブドのドロンと優しい雨上がりの気候に乗せられわたしにまで届いたようで、なんだかぐっときてしまった。そのときも十分ステキな見た目だったけれど、きっと彼らの日常生活ではもっともっと洗練されたステキな若いカップルなのであろう4人に赤ちゃんが加わり、ウブドというちょっと自然の力のほうが強い場所がそんな四人を裸んぼに近い形にしていて、環境に適応しようとする素直な姿勢がそれはそれはステキだった。そしてその良い意味でちょっと鈍臭いようなかんじは私たち夫婦も同じ(私たちは日々そんなかんじですが)で、それがみんなをストレスなくつなげてくれたのだと思う。その夜わたしは、今までの友人たちとのテンポやノリに娘が生まれてから自然と出てきた変化に少しだけ勝手に傷ついたり、とまどっていた自分が不思議と癒されているのを感じた。ただただ、子供が生まれたことを彼らがどんな状況であったとしても祝福してくれていることに感謝がわいた。

短い旅の中でいろいろな人たちと出会ったが、その中でも特に印象に残っている家族がいる。フランス人とロシア人の夫妻で、彼らの2歳の娘さんとわたしの娘が同じ名前だったことから 打ち解けて、子供たちもきゃっきゃと楽しく遊び、毎朝楽しい時間を過ごした。奥さんにはヨガを教えてもらったりした。それはそれは美しいご夫婦で、カメラマンだった彼がモデルだった彼女と恋に落ちて、子供を授かり、バリで出産し、世界中を旅していたんだ、という想像するだけでこころがときめくようなステキな家族だ。娘が2歳になったので、出産したバリに戻ってきたという彼らに、次の目的地はどこなの?と聞くと、ふたりとも一瞬だけしゅんとなったことに気がついた。その一瞬だけれど、何かこころがきゅっと締め付けられるような、悲しくなる何かがわたしの中でも大きく動いた。気を取り直して旦那さんが言った。

「ひとまずフランスに戻って、何か売ったりしようと思ってるんだ」

すかさず奥さんが口を挟む。

「でももしかしたらロシアで料理屋をするかもしれないじゃない」

そこで二人がほんの少しだけきつくなりあって、でも、あ、ここはバリだよね。私たちまだ旅の途中だよねと気づき合ったように、二人して、

「実のところどうしようかまだ決まってないんだ」とちょっと困ったような顔をして言った。
彼らはとてもピュアだった。

夢をコンパスにして旅を続けてきたけれど、どうしても色んな現実が出てきて、今まで通りの旅は続けられなくなった。だって子供はどんどん大きくなるし、それは素晴らしいことだし、育てていくために必要なことを見つけなくちゃいけない、大人になるってそういうこと?それでも、私たちの中にはまだまだ冒険心があるよ、でも、今、思いと現実は少しギャップがでてきたから、いったん旅は休んで、まずはどうにかしないとね。

言葉にしてしまえば、ただそれだけになってしまうけれど、それは、すべて私の中にある夢や痛み、すべてだったのだ。彼らのように旅をしながら生活したい、という意味ではない、何かたくさんの積み重なったものが自分の内側にまだざわざわしていることに気づかされた。

こんなに輝いている彼ら、この世界を本当にこんなに自由にそして健康的に生きている彼らに旅を続けてほしいとあんなにも痛いくらいに 切に願った私の中にこそ、その記憶があったのだ。
そう、彼らは完璧なんだ。何も失っていないし、足りてなくない。彼らがどんなに寂しそうにしたって、声に悲しみが乗っていたって、彼らはパーフェクト。

彼らのピュアさに私自身が内側に今まで抱えていた痛みや願いを、今体験したのだった。

ただ単純に子供がいたってノマドな生活で世界を旅したいという願いではなく、何かきっとずっとずっと大きないのちが動いてから、何度も何度も繰り返してきた、夢破れてきた記憶、変化に追いつかない記憶、大きな社会に小さくなってしまう記憶、一体何なのかはわからない。ただ、憧れや夢が記憶になって自分の体以外のあらゆるところにもぷかぷかとそこらじゅうにあるんだということに気づいた瞬間だった。
あのときの誰かそしていつか大昔の私の夢、叶わなかった夢、憧れ、願望が世界中にあふれている。そして、それは全部自分の内側にもともとあったのだ。日常の中で、会社で、デートで、旅先で私たちはそれを拾ってはクリーニングし、拾っては動かされ、またクリーニングして、自分に還るためだけに旅を続けている。
自分が思っている自分像、自分はこうあるべき、こんな生活をすべき、こんな子育てをすべき、これはすべて記憶だよ、本当の自分はゼロだよ、とホ・オポノポノで学んできたけれど、そのときわたしは深くそれを飲み込むことができた。

 

だってわたしが痛みや不快さをクリーニングしたら、やはりその家族はもうキラキラと完璧でかわいくて美しくて祝福せずにはいられない、そんな存在だったのだから。そして、それはその瞬間わたしが今築いているわたし自身の家族に対して感じることだった。
記憶をクリーニングして夢から醒めるってものすごく素敵なことなのかもしれない。憧れとか夢をクリーニングすると、それがなくなるわけじゃない。どこかで生まれたその夢たちをクリーニングしてゼロの今に戻ったとき、わたしの中にはこれまで以上に冒険心やクリエイティヴィティーがわいているのに気づく。でもそれはもはやしがみつくものではなく、今を生きるために必要なすごく使い勝手の良いツールのような存在だ。

 
「 みんな本当のお家に帰りたいだけなんだよ。

クリーニングしてお家に戻ろう。

Home sweet home .」
あるとき、ヒューレン博士が言っていた。

 

どんなに冒険に満ちた旅をしていたとしても、全然希望していなかった会社で毎日働いていても、結婚してなかなか新しい家族と馴染めなくても、買い物中でも、お茶していても、みんなお家に戻る旅を続けている者同士。

 

わたしはわたしの帰路をクリーニングを通して進んでいこう。
お家の帰り道に出会う人、もの、出来事との素晴らしい時間を大切にしよう。
そして、またどこかで会えたら嬉しいな。彼らの旅路が善きもので守られていますよう。

 
わたしもそしてこのブログを読んでくださるあなたも、それぞれのお家への道がどんなものであったとしても、いつももともとの自分そのものである平和と自由を思い出し進んでいけますように。


追伸:

とても久しぶりの投稿だったにもかかわらず、あたたかく、そして気持ちのよいコメントをいただきありがとうございます!とても嬉しいです。母に伝えたら「こんなに書いてないのに、読んでくださる方がいるだなんて、もっと書こう!と思わないの??!!」とすごい剣幕でまくしたてられましたが、それはそれでクリーニングしつつ、読んでくださるみなさまのコメントややさしい気持ちからたっぷりエナジーチャージして、これからもマイペースにそしてこつこつ書いていきたいです。本当にありがとうございます。

POI
アイリーン

ホームスイートホーム」への10件のフィードバック

  1. 仁美

    アイリーンさん
    こんにちは。仁美です。
    アイリーンさんもご家族もお元気そうでなによりです(*^_^*)

    今回のブログの中で、
    「そう、彼らは完璧なんだ。」
    という文にはっとしました。

    最近、周りの状況(人や環境など)に振り回されていた気がします。
    つい周りのせいにしたり、がっかりしたり、イライラしたり。
    記憶に溺れかけてたのかもしれませんね。

    アイリーンさんのブログは読んでてとても気持ちが良く、たのしいです。
    これからまた1踏み1踏み、ホオポノポノの自転車を進めてみようと思います。

    ありがとうございます。
    POI

    返信
    1. 平良アイリーン( Irene Taira ) 投稿作成者

      仁美さん
      いつもありがとうございます。
      周りに振り回されていると気づいたときに自分を俯瞰してみると、本当にボロ雑巾みたいな状態だと感じます。
      綺麗に洗って、お日様の光でカラッとすっきりさせたい、とこころから思って、またクリーニングに励みます。

      クリーニングの機会をありがとうございます。
      POI
      アイリーン

      返信
  2. ISHU

    ブログの更新がなくて、お母様が一番心配していたのかもしれませんね^^

    でも、マイペースでいいと思います。

    楽しく、心地よく、、なんでもそうですよね☆

    返信
  3. Ayumi

    アイリーンさん

    ご無沙汰をしております!
    きっと育児とお仕事で相当お忙しいのだろうなと思っていたので、またブログでお会いできて嬉しいです^_^

    私の息子も1歳になり、また生活に少しずつ変化が訪れています。
    前に結婚てほんとクリーニングの嵐だな〜。
    こんな嵐が巻き起こるんだから、子供が産まれたらどうなっちゃうんだろうと心配をしていましたが、産まれてみると思ったよりもクリーニングがスムーズに行われています。
    むしろ息子のウニヒピリから??見透かされているような気さえします。
    だから毎日粛々と自分と向き合ってクリーニングをするしかないのかなという気持ちに落ち着いています。
    また何か大問題が起こるかもしれませんが(笑

    自分語りになってしまいましたが…^_^;
    また楽しみにしています。

    返信
    1. 平良アイリーン( Irene Taira ) 投稿作成者

      Ayumiさん
      ごぶさたしています。
      いつもあゆみさんと関わるとき、気持ちがしっかりするのです。誠実さが伝わるのだと思います。
      子育て、結婚とあゆみさんがあゆみさんの場所でクリーニングされながら開拓していらっしゃることが最強の励みです。

      いつもありがとうございます。
      POI
      アイリーン

      返信
  4. 佐藤

    アイリーンさんお元気そうで何よりです。日本では悲しい事件もあって心が乱れてしまいますが、クリーニングの基本、自分の中にあった記憶が再生している、と思い出し クリーニングします。今外は物凄い強風です。コレもクリーニング!

    4月になって環境も変わり、楽になったり、まだ戸惑っていたり…昔の記憶で子供の幼稚園…主人に言われるがまま自分の意思とは関係なく・・・思えば全て正しい方向に導かれていたとは思うのですが、被害者意識が拭えません。

    それも含め、これからは自分もタイミングで、ウニヒピリとできるだけストレスのないように楽に、楽しく進んで行きたいです。そのためには…1にも2にもクリーニングですね♪

    改めてクリーニングに出会えたこと、グッズにも出会えたこと、アイリーンさんのブログに出会えたこと・・・ギフトなんですね~感謝です。こう考えてみると出会う人、物、事、すべてがギフトに見えます。きっとこのブログが清々しいので気付けるんですね、感謝です。また遊びにきます。

    お体ご自愛ください♪ POI ありがとうございます。
     

    返信
    1. 平良アイリーン( Irene Taira ) 投稿作成者

      佐藤さん
      誰かと一緒に暮らすこと、家族になっていくことは本当にクリーニングの最大の実践の場ですよね。
      わたしも結婚してから、何度もクリーニングにつまづきながらも今日まで来ました。怒りがこれでもかこれでもかと出ることもあります。
      それでも、その怒りを自分がもともと持っていた記憶なんだ、そしてその本当の原因はわたしにはわからないけれど、ウニヒピリ見せてくれてありがとう、と立ち戻ったときに訪れる平穏を大切にするようにしています。
      そうすると、本当に現実が変わってくるから不思議です。

      クリーニングの機会をありがとうございます。

      POI
      アイリーン

      返信

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